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〇〇ママの好きなこと・大切なこと

2022.10.07
〇〇ママの好きなこと・大切なこと

年齢は比例ではなく年輪!

北海道放送(HBC)アナウンサー 堰八紗也佳さん
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本日お話を伺ったのは、北海道放送(HBC)アナウンサーとして活躍する堰八紗也佳(せきはちさやか)さん。2018年にご長男の出産、育児を経て、現在アナウンサーとしてのお仕事はもちろん、絵本の読み聞かせや、大人を対象とした絵本の普及活動なども積極的に行っています。ご自身の子育てやお仕事について、絵本への想いなど、たっぷりインタビューしました!

Contents

  1. アナウンサーの道へ一直線だった青春時代
  2. 出産してから、休むことの大切さを知りました
  3. ママアナウンサーのモデルケースに

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堰八紗也佳(せきはち・さやか)さん/札幌市生まれ。青山学院大学を卒業後、2009年に北海道放送(HBC)入社。2013年に結婚し、2018年に第一子出産。

アナウンサーの道へ一直線だった青春時代

いつもテレビで拝見しています!

ありがとうございます!

アナウンサーになったきっかけは何ですか?

具体的にいつと言うよりは、いつの間にかアナウンサーを目指していました。小学校の国語の時間、みんなの前で教科書を朗読することが誰よりも好きだった記憶があります。

みんな嫌がるのに、珍しいですね(笑)

当時は目立ちたがり屋だったのでしょうか(笑)。ところが私、中学校にあがり思春期を迎えると引っ込み思案になり、人前に立つと緊張するようになってしまったんです。そんな自分を克服して、アナウンサーになりたいと思いました。

高校卒業後は東京の私立大学へ進学。同時にアナウンサーの養成スクールでも勉強を開始しました。

専門のスクールがあるんですね

東京には各キー局が運営するスクールがあって、局ごとに勉強の仕方も異なります。私はさまざまな局のスクールに通い、初級から中級、上級コースまでも受け、4年間みっちりとアナウンサーの技術を詰め込みました。応援してくれた友人や両親には本当に、感謝の思いでいっぱいです。

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なるほど。はじめからUターンを目指していたのですか?

いえ、実は日本全国のテレビ局を30社以上受けた中で、合格したのがHBCの1社だけだったんです(笑)

やはり、地元だから受かりやすかったんでしょうか?

出身地は関係がないと思います。何が評価されたのかわかりませんが、"自分なり"にインパクトを残した記憶はありますね...

"自分なり"のインパクトですか。例えば?

とにかく誰よりも元気に、大きな声を出す事を心がけていたんです。そしたら最終面接の時、面接官の方に「どうしてそんなに声が大きいの?」と言われました。試験の待合室まで私の声が響き渡っていたそうです(笑)

あ、あと面接の最後に「言い残したことや質問はありますか?」と聞かれ、「何か印象を残さねば!」と思って、当時習っていた太極拳を披露しました。

(笑)

面接官の反応がなく焦りました(笑)

出産してから、休むことの大切さを知りました

入社してからについても教えてください

2009年、私も含めて女性3人がアナウンサーとして入社しました。とにかく人手不足だったらしく、4月から研修を受けるとと同時に、気づけば本番にも出演してました(笑)

それは大変!

でも、とにかく頑張らなければと、がむしゃらでしたね。1、2年目は「休みなんていらない!」と思って働いていました。

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2009年入社後、初めて出演した番組。隣は同期でママ友でもある室谷香菜子アナウンサー(提供写真)

いつから休みを意識するようになったのでしょう

2018年に長男を出産してからですね。初めて「休む」ことの大切さを感じるようになりました。「情報を伝える」という職業柄、アウトプットに偏りがちですが、休みがあるからこそ学びやインプットの時間がとれる。吸収する時間もとても必要だと思うようになったんです。特に育児は、何気ない日々が勉強になることや新しい発見であふれています。

初めての育児での苦労されたことはなんですか?

よくある話だと思いますが、マジメすぎ、心配しすぎでしたね。よくいう「母乳神話」のような、「こうしなきゃいけない」という思いに縛られていました。

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「忘れないために」と堰八さんが記していたという育児記録。体重や授乳量などがとても細かく記録されています。

職場にはすぐに復帰されたのですか?

出産から6ヶ月で復帰しました。やっぱり、最初は保育園に預けてもすぐに熱が出たと呼び出しがあり、職場と保育園、家を行ったり来たりでとても大変だった記憶があります。

久々にニュースを読むのも手が震えて、まるで新入社員にでもなったかのような新鮮な心境でした。当時は自分のキャリアへの焦りもあり早めに復帰しましたが、今振り返るともう少しゆっくり休めば良かったな、と思っています(笑)

職業柄、子育てとの両立が難しそうなイメージです

働く時間帯がその日によって違うのでリズムは作りにくいですが、その分、子どもはたくましく育っているように思います。4歳ながら、私の仕事の事情を理解してくれているようです。テレビを見ながら「ママだ!」って言ってることもあるんですよ(笑)。「ママ、お仕事頑張ってね」と励ましてくれる時もあって、本当に頑張れちゃいます。

また夫はもちろんのこと、両親もすごく育児に協力してくれるので、私1人ではなく「みんなで育てている」という意識が強く、心強さを感じています。

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小学校での絵本の読み聞かせ活動の様子(提供写真)

ママアナウンサーのモデルケースに

今は絵本の読み聞かせ活動にも力を入れているとか

HBCのアナウンサーは、毎年札幌市内の小学校10校で絵本の読み聞かせをしています。この夏は、札幌市円山動物園で3年ぶりに朗読会も開催できました。また個人的には、絵本セラピスト協会®️認定「大人に絵本ひろめ隊員®」としても活動中。そんな絵本に関する経験を生かして、弊社が運営するウェブサイト「Sitakke」では、「今月の絵本通信」という連載を担当しています。

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2022年8月に行われた円山動物園での絵本朗読会(提供写真)

そのきっかけは?

特に絵本を好きになったきっかけは、やはり子育てでした。長男を出産した頃、皆様からお祝いにたくさんの絵本を頂いたのですが、特にHBCアナウンサーの大先輩である河原多恵子さん(現在はフリーアナウンサー)から頂いた「ぼく、うまれるよ!」という絵本がとても素晴らしかったんです。

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河原さんから出産祝いとして贈られ、大きな影響を受けたという「ぼく、うまれるよ!」(作・駒形克己、出版:ONE STROKE)

この本は子どもがどうやってこの世に生まれてくるかを描いた作品です。ページをめくるたびにとても温かい感情に包まれました。絵本って子どものためだけでなく、ママや大人のためのものでもあるんだ。そんな魅力を再発見させてくれた作品です。

また絵本は新しい作品だけが良いとは限らず、昔からのベストセラーが今も変わらず受け継がれていることも素敵ですよね。

ご自身も絵本の読み聞かせをしてもらった記憶がありますか?

寝るときに布団で母が読んでくれた記憶がありますね。絵本の台詞として出てくる「ぎゅっ」とかの度に、母が抱きしめてくれたことを覚えています。子どもにストレートに感情を伝えるのって、ちょっと恥ずかしくもありますが、台詞を通じてコミュニケーションツールとしての役割も果たしてくれる。これも絵本ならではの魅力なのではないでしょうか。

話が変わりますが、ママの先輩アナウンサーも多いのでしょうか?

かつては出産したら退職される方も多かったので、実は先輩ママアナウンサーは身近にあまりいないんです。現在では働く環境も整備され、出産後のサポートも非常に手厚いので、実際に私は不自由を感じることはありませんでした。

ただ、どれだけ環境が整備されても、産休・育休中は「居場所がなくなってしまうのでは」という不安を誰もが抱いてしまいがち。私も今ではたくさんの後輩女性アナウンサーに囲まれていますから、今後は後輩たちが不安なく自分の望む将来を選択できるよう、「こんな働き方もあるんだよ」というひとつのモデルケースになれたら嬉しいです。

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自宅の本棚の一部。絵本はなんと約140冊もあるそうです!(提供写真)

素敵ですね!

それでも長期出張の仕事ができないなど限界はありますが、仕事との両立を諦めず、地域に根ざした仕事を全うしていきたいという思いで働いています。

今後の目標は

実は、来年2月に第2子の出産を控えています。しっかり子どもと向き合って、ゆっくり焦らず現場に戻って来たいですね。

なんと!元気な赤ちゃんが生まれるといいですね!

ありがとうございます!初産婦の時より心境的には余裕があります。子どもにとっては最後の一人っ子を楽しめる時間。今しかない家族3人の時間も大切に過ごしていきたいですね。

新米ママにアドバイスを!

私が出産をした4年前は、仕事のこと、お金のこと、育児や将来への不安...と、さまざまな選択に迫られたのを思い出します。また30歳を過ぎて、年齢も意識し始める時期でもありました。でもどれだけ迷ってばかりでも、自分自身が選んだ道が正解です。多くのことは何とかなると、今振り返ると思うんです。

また年齢に比例して衰えるのではなく「年輪」だととらえるようになりました。歳を重ねるとともに、より自分の幹が太くなり、人間としての厚みが増す。そう考えると、とてもポジティブになれますよね。

私はこれから第2子の出産、そして40代も見えてきましたが、今ではすべてが楽しみ。今後も自分らしい人生を楽しみながら、皆さんを笑顔にしていけたらと考えています。

ありがとうございました!

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北海道放送(HBC)アナウンサー

堰八紗也佳さん

堰八さんInstagram:@hbc_sekihachisayaka
堰八さんが「今月の絵本通信」を連載中のWebサイト「Sitakke」:https://sitakke.jp/

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