2021年11月にオープンした店内の様子。こだわりのドライフラワーや観葉植物で癒しの空間を演出しました。

母から受け継いだお店を新しい形へ

素敵な内装のお店ですね。いつから経営されているんですか？

実は2021年の11月からなので、まだ半年なんです!

オープンしたばかりなんですね！経緯を教えてください！

元々は母が美容室を経営していて、そんな母の背中を見て育った影響か、大人になって私自身も美容師になり、別のお店で働いていたんです。20年ほど前、母が病気になった事をきっかけに同じく美容師である姉とお店を継ぎました。その後母が他界し、姉も結婚と出産で仕事を離れてからは私一人で店を続けてきたんです。娘を出産した後、夢だった自宅兼サロンを実現したいと思うも、母の代から来店して下さっているお客様も通いやすい場所がなかなか見つからなくて...。同じ通り沿いのこの場所を見つけ、昨年やっとオープンすることができました。

自宅兼用にしようと思ったきっかけは？

娘のために育児と仕事を両立させたかったんです。まだ半年も経っていませんが、本当に生活が楽になりました。通勤もないですし、営業時間も幼稚園のお迎えに合わせられるなど融通も効きます。もし娘の具合が悪くなって幼稚園を急に休むことになっても、自宅で様子を見ながら仕事ができるなど、気持ちの面でも安心感があるんです。

店内にはキッズスペースもありますが、お子さん連れのお客様も多いんですか？

母の代からのお客様もいますので、90歳代まで幅広いお客様が通ってくださっています。一方で出産後は自然と子育て世代のお客様が増えました。北郷は地域柄子育て世帯が多いんです。美容師とお客様という関係ではありますが、同じママとして育児の情報交換をしたり、子育ての悩みを共感しあっています。また私自身、子供ができてから美容室に行く回数が減った経験があったので、自分がお店を開くならキッズスペースは絶対に作りたかったんです。子連れで来てもらって、子供を遊ばせながら安心してヘアカットを楽しんでもらいたいですね。

お客様からも大好評なキッズルーム。4歳の羽琉（はる）ちゃんもお気に入りの場所です。

仕事も子育ても手放したくない！

お一人で経営されているとなると、出産時は特に大変でしたよね？

実は私、出産の10日前までお店に立ってたんです。元々2週間前までと思っていたら、予定日が早まってしまって。

本当にギリギリまで働かれていたんですね！

出産後は3ヶ月ほどで復帰しました。あまり長くお店を閉めてしまうと、お客様が離れてしまうかもしれないと思ったんです。

身体は辛くなかったですか？

今振り返ると復帰はちょっと早すぎました（笑）。ここ1年でやっと元の身体に戻ったなって思っています。もうちょっと自分を休ませてあげてから復帰してもよかったかなと思います。

子育てもお仕事も本当に全力だったんですね。

欲張りなので、どっちも手放したくなかったんです。仕事も元通りにやりたいし、子育てもちゃんとやりたい。だから娘が生まれて最初の2年間は、知り合いのベビーシッターを雇い、お店のバックルームで見てもらいながら育てました。子供と少しの時間も離れたくなかったんです。

働きながらの子育て、どんなことを大事にしていますか？

頭をいつもスポンジにして周りの意見をよく聞くことです。「こんな時に亡くなった母がいてくれたら...」と思うこともよくありますが、それは叶いません。代わりにお付き合いの長いお客様がいつも親身にアドバイスをくださいます。たくさん助けていただいているので、皆さんの意見を素直に聞く姿勢を大事にしたいと思ってます。

プライベートサロンのような1対1の接客で自然と会話が弾みます。カットをしながらのお客様との触れ合いが何よりの楽しみ。

人生一度きり、自分に自信を持って

お仕事をやっていて良かったと思う瞬間は？

「すっきりした」「気分が変わったよ」と言って帰られるお客様の明るい笑顔を見るたびに、「やっててよかった〜」と思います。毎日やりがいを与えてもらっているので、家事や育児で少しくらい嫌なことがあっても、全部吹き飛んでしまいます。仕事のおかげで小さなストレスをため込まず、日々のパワーに変えて頑張ることができるんです。

これから挑戦したいことは

実はカラーセラピーの資格と、パーソナルカラーを診断できるカラーアナリストの資格を持っているんです。子供が大きくなって営業時間を長くできるようになったら、髪のお悩み改善だけではなく、心の癒しにつながることにも挑戦してみたいと思っています。

同じ世代のママへのメッセージを

人生は1度きりです。子供を産む前の私は、石橋を叩きすぎて壊すタイプでした（笑）。だけど娘を産んでからは「自分を信じて何でもやりたいことをやろう！」と思えるようになったんです。やらない後悔よりも、やって後悔。子供がいると色々な制限はありますが、ずっと続くわけではありません。この子が大きくなるのを近くで見守れる今を、思う存分に楽しみたいです！