夫婦で試練を乗り越えて。働くママと家族たちに美味しい食を届けたい。
JR白石駅北口前でお弁当屋「daily dish」、料理教室「daily kitchen」の運営を行っている岡本由香梨さん(@sapporo.dailydish)。私生活では2児のママとして、子育てにも奔走しています。「両立は夫の理解があってこそ」と話す岡本さんに、これまでのことや育児の苦労について、お話を伺いました。
Contents
- 不妊治療をきっかけに料理教室を開講
- 夫婦共に歩む子育てと、互いを尊重するあり方。
- 親の背中を見せることが、子どもの自立にもつながる。
不妊治療をきっかけに料理教室を開講
お料理を仕事にするまでの経緯を教えてください
出身は石狩市で、学生時代は食物栄養科の短大に通いながら、夜間の調理師学校でも学んでいました。卒業後は病院の管理栄養士、飲食店の商品開発部の仕事を経て、2006年に夫と結婚。しかしなかなか子を授かることができなかったこともあり、不妊治療のために退職しました。実は、この料理教室は治療を継続しながらできる仕事として夫が「やってみたら?」と勧めてくれたのがきっかけ。ちょうどキッチンが広い自宅を建てたこともあり、2012年に開講しました。
ご苦労をされたのですね。
不妊治療はお金も時間も必要ですし、精神的にも大きな試練になりました。夫婦でとても苦しい経験もしましたが、その後2人の男の子に恵まれて、感謝の気持ちでいっぱいです。今は小4・小2のやんちゃ盛りですが(笑)
お弁当屋さんもされているとか。
2021年に小さなシェアキッチンからはじめてその後1年ほど経ってから、運良く自宅すぐそば、JR白石駅北口前に物件を見つけてスタートしました。管理栄養士としての観点から、栄養バランスの取れた、安心できる食材と調味料のお弁当を心掛けています。
立地もとてもいいですよね。どんな方がご利用を?
おかげでたくさんのリピーターの方がご利用くださっています。近隣の企業にまとめてデリバリーに行くことも多いですね。あとはお惣菜のパックも人気で、日々の栄養バランスに気を配っているママや年配の方もよくご利用くださっています。
夫婦共に歩む子育てと、互いを尊重するあり方。
育児との両立もとても大変かと思いますが、秘訣があるのでしょうか
実は私一人で抱えている実感は無いんです。というのも、夫がとても協力的で、当初から2人で子育てするという習慣が根づいていて。私は朝4時には起床して、5時には店に向かわなければいけないので、主に朝の準備は夫が担当。反対に夫の帰宅が遅い夜は私の担当で、必ず子どもたちと食卓を囲んでいます。食事は家よりも、お店で作ったものが多いですね。
それはとってもいいお話!
働くママにとって、忙しい朝は一番のストレスの原因ですからね(笑)。他にも、勉強に関する相談は夫に、友達や学校の人間関係の話は私と、家事育児以外の面でも役割が分かれています。
当初から「夫婦で子育て」という方針なのでしょうか
「方針」と呼ぶほどキッチリ決めた訳ではなくて、夫はもともと子どもが大好きで、当初から自分がやりたいと言ってくれていたんです。忙しい仕事の合間でも子どもの学校行事や参観日は必ず参加してくれますし、当日のそれぞれの持ち物なんかも全て把握してくれて、とても心強い存在です。もちろん、苦労してようやく子どもを授かったという背景もあると思います。
そこまで円満な秘訣は何でしょう
しいて言えば、お互いがやりたいことを認める事でしょうかね。よほど間違っている時を除けば、やりたい事や買いたい物について否定することはありません。例えば夫はふだん帰宅がかなり遅いのですが、毎週仲間とサッカーをする日だけは必ず定時で帰宅してくるんです。正直「早く帰れるじゃん!」と突っ込みたい時もありますが、本人にとって大切な息抜きの時間ですので(笑)。
親の背中を見せることが、子どもの自立にもつながる。
お子さんにとっても良い影響がありそうですね
それぞれが子育てを行い、互いにやりたいことはやる、という影響で、子どもたちも「自立」を心掛けてくれているように感じます。例えば朝は「ママがいないから自分たちでやらなきゃ」と、言わずとも自分でしっかりと準備するようになりました。最近では習い事も自分で路線バスに乗って行くようになりましたね。今、世の中の働き方や生き方が多様化している時代ですが、親がその背中を見せることで子ども達も将来、好きなことで自立するようになったらいいなと思っています。
将来的な目標があれば教えてください。
大きなことは何も考えていません。今と変わらず家庭を一番にしながら、自分もやりたいことを続けること、ぐらいでしょうかね。あとは私のお弁当やお惣菜を通じて、働くママたちに少しでも時間の余裕を作ってもらう。その分、家族や自分に向きあう時間をつくってくれたら嬉しいですね。
ありがとうございました!